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Ernesto Neto-Espace Louis Vuitton Tokyo-

SEPTEMBER 29TH 2012 - JANUARY 6TH 2013

Madness is part of Life(狂気は生の一部)

エスパス ルイ・ヴィトン東京

このタイトルは、政治的公正(PC)と生産時間という、現代生活に共通して見られる状況に関係しています。人間に価値を置くことは、人間主義的特質よりも生産性を重視すること、機械に近づけば近づくほど良いという考え方にまつわるものです。
社 会の一部をなす狂気は、管理しなければならないもの、薬剤によって隠さなければならないものとされてきました。まるで、そうするのが正しい考えであるかの ように。しかし、誰にとって正しいことなのでしょうか。世界は情熱に満ちています。私たちの内面や周囲に息づいているのはささやかな狂気です……私たちに はそれが必要なのです!

A vida é um corpo do qual fazemos parte, 2012
われわれは生という体の一部

ポリプロピレン及びポリエステルのひも、プラスチックボール
780 x 786 x 1486 cm

drawing: courtesy of the Artist

work with the support of
Espace Louis Vuitton Tokyo


このタイトルを通して異議を申し立てたい対象は、人間を宇宙や多元宇宙等々の中心に据える人間観です。精神を、自然を超えた超自然的なも のとして肉体から切り離す考え方、文化が自然から脱したもの、自然の一部ではないもののように捉える考え方です。生は人間よりも大きく、人間は生の一部に 過ぎません。もし神が存在するならば、神こそが自然であり、人間はその特別の小さな一部、ただし、あくまで一部に過ぎません。
これは連作 『Balanço(ブランコ)』に属する彫刻です。膜(スキン)と細い通路(キャットウォーク)で構成されています。この通路は宙吊りになっており、人は その上を歩いたり、そこに座ったり、寝転んだりできます。LIBWPO (Life Is a Body We Are Part Of)の場合、その作品は、上方の精子を表す通路部分と卵子を表す居住空間という2つの要素で構成されています。これは体験型彫刻です。人をガラスの建物 の近くまで引き上げて眩暈を感じさせる、あるいは少なくとも「空中」に浮遊している感覚を味わわせるという狙いもあります。これは、安定感を扱った作品で す。私たちがどのように動き、欲しがり、恐れるか。この作品を通じて生み出そうとしているのは、体をなしている場、あるいは動物的な場であり、同時に私た ち自身にとっての風景です。ドアは、この2つの領域を繋ぐ門、ないしは両者の連続性をなします。この作品における壁の膜(スキン)は、相互接続された、螺 旋状のかぎ針編みの「細胞」から成ります。本体の通路は「魚卵の細胞」、すなわちプラスチック・ボールがいっぱい詰まったチューブでできています。

TorusMacroCopula, 2012
トルスマクロボールト

ポリプロピレン及びポリエステルのひも、プラスチックボール
780 x 120 x 120 cm

work with the support of
Espace Louis Vuitton Tokyo


これは、『Copula Invertida』という1989年の作品の大規模の再現で、『Prumo(下げ振り)』と『Peso(おもり)』という他の2つの作品を組み合わせた ものです。当時、私は、ポスト具体主義/建設的提案を離れ、生物具体主義的(bio-concrete)プロジェクトへと移行中で、そのなかで、肉(生 身)を感じることのできるいくつかの作品を実現する方法を見つけていました。ストッキングの膜(スキン)と鉛の玉をコンテンツとして。子宮や魚卵のように 見えるものや、受精、種子といったアイデアを編み出す方法を、どうにかして探っていました。『TorusMacroCopula』は、たくさんの穴と、よ り大きなボールの「卵」で満たされた皮膚(スキン)の、空間の位相的逆転を伴った巨視的ビジョンです。実際に体験する作品の中でも、すごく大きくて8人も入って本当に大丈夫かな?とも思いましたが、ハンモックのような心地よさと、色のグラデーションがすごく気に入りました。